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ロック式トレモロの弦交換

ニッパーなど刃物を使う作業ですので、くれぐれもケガには気をつけてください。
あくまでも各自の責任で行ってください。慣れてくれば全然難しくない作業です。

まずは弦を緩めた状態でもユニット本体が下がらないように楽器用のクロスなどを挟み固定します。こうする事によって後々の作業がスムーズに行なえます。また、クロスなどを挟む時はブリッジをアームダウンさせると効率よく行なえます。ここでは楽器用のクロスを使用しましたが、割り箸など、挟める物だったらなんでも大丈夫です。しかし、うっかりしてボディに傷をつけないように注意しましょう。
次にナットキャップマウントスクリューを付属の六角レンチで緩めてナットキャップを外します。プロは同じキャップを同じところに戻します。これは弦とパーツがなじむためです。どれがどこにあったかをわかるように外して置いてください。
次にペグを回して弦を緩めます。全部の弦がダラダラになるまで緩めて下さい。この時、「ストリングワインダー」という道具があると便利です。通称「アルトベンリ」というものです(この名称で楽器店では通じます)。殆どのギターショップで購入できます。
作業性を上げる為に弦を緩めたらストリング・リテイナー(通称テンションバー)を外しましょう。しかし、セッティングを変えたくない人は、そのままでも構いません。そのかわり、ちょっと弦を張るのがちょっと面倒になります。弦はラジオペンチや硬線用ニッパーなどで切ってしまいます。
ストリングロックスクリューを回して弦を外します。もちろんペグ側の弦も外して下さい。外した弦は丸くまとめて燃えないゴミへ捨てましょう。
いよいよ新しい弦を張ります。4,5,6弦は弦の根本を少し残してニッパーで切り、その残した根本をストリングロックインサートで固定するようにストリングロックスクリューを回して固定してください。1,2,3弦は根本を残さなくても大丈夫です。ここで注意ですが、あまりキツく締めすぎないこと。これ以上締めれないってぐらい締めちゃうのはNGです。かといって緩くてもダメですので、硬くなった所から更に「1/4回転」ぐらい締めこんであげれば問題ありません。締めすぎると弦が死にやすくなったり、ロックインサートが割れるなどのトラブルに繋がります。

弦をブリッジに固定したら、指で引っ張って弦をまっすぐにします。ここで弦がねじれているといい音がしないばかりか、ビビリの原因にもなりますので要注意です。弦を延ばしたらペグ1.5〜2個分くらいのところで右に折ります。そしてその折ったところが右になるようにペグに通し(ってことは弦はまっすぐ)、上から下へキレイに巻いていってください。大体2〜3巻きくらいがベストです。この調子で全部の弦を巻いてください。
弦がまだダラダラの状態で、ストリング・リテイナーを取り付けます。弦がロックナットの底面にぴったり付く所までストリング・リテイナーを締めこみます。きちんとロックナットの底面に弦が接していないと、後でロックしたときに弦が引っ張られ、チューニングが上がってしまいます。
チューナーの出番です!全ての弦をチューニングしてください。5弦から始めるのがいいかもしれませんね。そしてクロスを取ってもう一度チューニングしてください。全部の弦が合うまで、何度もペグを回すことになります。チューニングが合ったらフローティングしたブリッジが平行かどうか確認してください。もしブリッジが傾いているようだったら全ての弦を緩めたあと、ボディの裏のバネを止めているスプリングハンガーのネジをドライバーで回してブリッジが平行になるように調整します。フローティングブリッジは弦の張力とこのバネの張力で平行を保つように設計されています。弦を変えると張力が異なり、ブリッジが平行でなくなる場合があります。一度でうまくいくのは難しいので何度も調整してください。
チューニングが合って、ユニットもボディと平行になっていますか?うまくセッティングできたら弦高を調整しましょう。スタッドを右に回すと弦高が上がります。左右バランスよく調整しましょう。弦高が調整できたら再度チューニングを合わせましょう。そして最後の最後にオクターブ調整をします。くわしくはこちらです。
最後にナットキャップを元の位置に戻して固定します。そして、ブリッジのファインチューナーで最後のチューニングをしてください。これで準備完了です。
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